第1回![]()
撮影や出力のクオリティに携帯写真はいったいどこまで耐えられる? 注目度急上昇中の携帯写真家・塚本修史さんに伺いました。
×月○日の写真花編集会議にて。編集長が「こういう時代だもの、ケータイで撮影した写真を発表している“携帯写真家”がいるんじゃない? 取材したらおもしろいかもよ」と発言。それに対して、「いくらなんでも、そんな人いるわけありませんよ〜」と全面否定派の私。
それで会議はお開きになったわけですが、席について試しにPCで検索してみると…なんと、存在しました。携帯写真家が。ただし、かなり調べてみたのですが、多数の自称携帯写真家の中で、写真作品が世に認められた真の携帯写真家はごくわずか。そのうちの一人が、塚本修史さんです。
何につけても、編集部一新しもの好きの私。興味がわかないはずありません。先ほどの否定意見などなかったことにして、すぐさま取材を敢行するはこびとなりました。
——塚本さんがケータイで撮影した作品は、第28回ぴあフィルムフェスティバルのポスターにも採用されています。その写真を見せていただくと…説明されなければ、これがケータイで撮影されたものだなんて気づく人いないんじゃない? という完成度。どうすれば、このような写真を撮ることができるのでしょうか?
塚本「実は、案外基本的な機能を知るだけで、携帯写真の腕前は格段に上がるんです。例えば、ホワイトバランスという機能がありますね。これらを使っている人、ほとんどいないと思います。僕は撮影する時、この機能をよく使います。あと、例えば葉っぱのアップを撮る時はマクロ機能を使ったり。そうするとすると葉一枚一枚の筋まできちんと出る。それ以外にも機能がたくさんあります。これを活用するだけで、すごく良い写真が撮れるようになりますよ」
——塚本さんの作品集を拝見させていただき、もっとも驚いたのは空の写真でした。雲の立体感や空の微妙の変化などを、ケータイの写真でもここまで表現できるんですね!
塚本「実は僕もはじめて自宅のプリンタで出力した時びっくりしたんです。そこには、ケータイやPCでは見えなかったものがあったんです。つまり、画面で見るのと出力したのでは、情報量が全然違うんです。僕は過去にケータイで撮影した写真で個展を開いたこともあります。ケータイで撮影した写真は出力に向かないというのは思い込み。逆に粗くなったとしても、それでアナログっぽさが出て、良い雰囲気になりますし。ただ、待ち受けサイズだと限界があるので、出力を前提にするなら、高画質設定で撮るのをお薦めします」
——写真を撮ると一言でいっても、いろいろな被写体があります。ケータイはどのようなものを撮影するのに適しているのでしょうか?
塚本「僕がケータイで撮影するのは、ごく身近な風景。自宅からオフィスへ行く途中で見つけた花を撮ったり、飼っている猫を撮ったり。写真を撮るために、どこか遠くへ出かけようとは思いません。身近なところで気になる風景と出会った、その時に気軽にポケットから出してパッと撮れるのがケータイらしさなのかな、って思います。その点では、他のカメラよりも優れていますからね」
塚本さんのオフィスに飾られたケータイで撮影した作品。ブルーを基調にした素晴らしいものでした。基本機能をきちんと理解すれば私もこういう写真を撮れるのかなぁ…と夢見ていると「僕は1年間で約1万枚の写真を撮影しましたよ」と塚本さん。
あぁ、やはり、何ごとも簡単にはいかないものなんですね。とにかく何ごとも練習あるのみ。明日からとにかく撮りまくってみます!
[取材協力]
塚本修史 公式WEB
http://void-jp.com/
※この記事内写真の携帯電話は塚本修史さん所有のものではありません。