第8回![]()
写真花のテーマである“写真を飾る×撮る”をプロカメラマンはどのように楽しまれているのでしょう?注目写真家のレクチャー!
今回のguest・辻牧子さんプロフィール
東京工芸大学・写真学科在学中に、人物写真の楽しさに目覚め、フォトグラファーを目指す。卒業後、博報堂フォトクリエーティブアシスタントを経て渡豪。1年間現地にて作品を撮影。帰国後、日本・ニュージランドの2ヵ国でフォトグラファーとして活動、雑誌を中心に数多くの著名人の撮影を行う。●受賞歴:1998年・2003年/ヤングポートフォリオ受賞、2002年/コニカフォトプレミオ入選・新風舎 平間至賞 優秀賞●
——今日は教えていただきたいことがたくさんあるんですが、写真花は“写真を飾る”をメインテーマにしたWEBマガジンですので、この部分からお聞きしたいと思います。ご自宅で写真をどんな風にレイアウトされていますか。
辻「今は、お気に入りの写真を透明のアクリルフレーム入れて本棚に飾っていますね。アクリルフレームだと枠がないので、作品の世界にそのまま入り込める感覚があります」
——アクリルフレームをそういう視点で見ることもできるんですね(笑)。
辻「以前は、ポストカードがたくさん入る透明のポスター状の壁掛けを使って、一面に自分の写真や気に入ったポストカードを飾っていました」
——フレーム、壁掛けいずれにしても、辻さんの場合、クリア・アイテムを利用されて写真を主役に飾るのがお好きなんですね。私なんかどうしても、写真を飾るとなると木枠フレームを思い浮かべてしまうんですが…このへん今後、参考にしてみます。
——辻さんは、ニュージーランドに長期滞在されてフォトグラファーの活動をされた経験がありますね。“写真を飾る、楽しむ”って意味でいうとあちらは日本の感覚とかなり違いますか。
辻「写真を撮る部分でいうと、日本人と同じようにニュージーランド人も好きな方が多いですね。でも、飾ることに関しては、ニュージランド人は日本人よりも“ズバ抜けて”好きかもしれません(笑)。リビングには、子供や孫、結婚式などの写真が素敵なフレームに入れて飾ってあります。家族を大切にする彼らの国民性がそこに表れているように感じました」
——ズバ抜けてというところを強調されてましたね(笑)。日本とはとんでもないくらい差があるというのが伝わってきました。
辻「ニュージーランドでは、写真が生活の一部になっているっていうか。アルバムにして大事に保管するのもいいですが、飾ることで愛しい人をいつも身近に感じられる…そういう写真とのつきあい方も良いのではないでしょうか」
——次に“写真を上手に撮る”ということをテーマに伺いと思います。そんなの簡単にはムリだよって言われる気もしますが(笑)、辻さんの写真のようにファインダーの枠を感じさせない、自由な構図で撮影をするにはどうしたら良いんでしょう。
辻「構図を気にする前に…まずは被写体とのコミュニケーションを上手くとることでしょうか。そうすると、いつでもシャッターを押せる状態になって、自然な雰囲気が出せるようになりますよ」
——あぁ、私なんか「撮るよ、撮るよ、シャッター押すよ」って感じで撮影しちゃうんですけど、テクニックの前にそこが違ったんですね(笑)。それをしないで、構図を気にしても意味がない(大笑)。
辻「相手に撮るよ、っていうよりも、自分の中で“いい!”と思った瞬間にシャッターを押すことでしょうね。あと、構図については…そうですね、私の場合、写真や絵画を観てインスピレーションを感じた構図を簡単なスケッチにして残しています。そうすると、自分が撮るときになんとなくその感じを覚えていて作品に生かせることがあるんです」
——やっぱり…そういう努力の積み重ねがあって、あのような写真が撮れるんですね。まずは、コミュニケーションの部分を気をつけてみます…。
——辻さんの写真のもう一つの特徴(私が勝手にそう思ってるだけです…偉そうにすみません)として、光の使い方がありますね。逆光気味の太陽光をスパイスにしたり、イルミネーションをアクセントにしたり。あぁいうテクニックは私のようなビギナーには不可能なんでしょうか(笑)。
辻「まず、逆光だからといってシャッターを押すことをためらわないことですね」
——逆光は写しちゃダメって思い込みがあるけど、そうじゃないんですね。
辻「とはいっても、強い光でそれをするとただの逆光写真になっちゃう…目にも良くないし(笑)。もし強い太陽光を写真に活かすなら全体ではなく、一部を利用するのが良いでしょうね。私が逆光を使うのは多くの場合、朝か夕方。昼間だったら木漏れ日です。レンズの収差で面白い写真が撮れることがあります」
——弱めの光を生かそうと意識すればいいんですね。さっそく次回の撮影の時に試してみます。
——今日のインタビューは…気づいたら辻さんの写真講座みたいになってしまって…受講料も払ってないのにすみません(笑)。
辻「上手く撮ろうというよりも、何でもいいからまず撮ってみると、より写真の面白さを感じられると思います。たとえば、近所の街並みや、今日の空の色、道ばたに咲く花…。そういった自分のまわりのものに興味や親しみが湧いてくることで、自分自身への関心も深まっていく…写真は撮った時の感情が大事。“キレイ!!”と心から感じなければ、写真で表現することはできませんよね」
——そういう考え方をすると、カメラや写真ってものの可能性がもっと広がりそうです。技術も感情の両方があって、はじめて良い写真が撮影できるんですね。私は技術の方は自信がないので、感情の方を重点的に磨いてみます(笑)。最後に辻さんの今後の活動予定を教えてください。
辻「2008年の目標としては、作品をより多くの方々に観てもらうことです。観てくれた方に、楽しい気持ちや幸せな気持ちになっていただけたら嬉しいな…長期的な目標としては、いつの日か世界中で写真展を開催みたいですね」
フォトグラファー辻牧子 オフィシャルWEBサイト
http://www.makiphotography.co.nz/home/

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