まずは一番重要な、写真展のテーマ決めから始まります。ただ漠然と好きな写真を並べるだけの展示ではなく、どういうことを表現したいのか、どんな風にまとめたテーマで展示したいのか、そこから考えていきます。
私の初個展は、2008年の「写真と雑貨と古いもの」でした。初の著書「写真でつくる雑貨」を出版した記念の展示です。著書の中の作品を展示したのはもちろんのこと、古いものと雑貨が好きなので、展示も古道具&雑貨屋さんのような雰囲気に仕上げました。
第34回![]()
徳島から戻ると、次の日東京は雪化粧。 年明け6日から個展を開催し、西日本を中心に点々としていたsaorinさん。 今回は経験にもとづく「個展を開くためのノウハウ」レクチャーです!
「写真と雑貨と古いもの」(2008年/AMULET)
まずは一番重要な、写真展のテーマ決めから始まります。ただ漠然と好きな写真を並べるだけの展示ではなく、どういうことを表現したいのか、どんな風にまとめたテーマで展示したいのか、そこから考えていきます。
私の初個展は、2008年の「写真と雑貨と古いもの」でした。初の著書「写真でつくる雑貨」を出版した記念の展示です。著書の中の作品を展示したのはもちろんのこと、古いものと雑貨が好きなので、展示も古道具&雑貨屋さんのような雰囲気に仕上げました。
展示の什器も、あちこちで探した古道具をたくさん仕入れて使いました。会場は、神保町の雑貨屋さんAMULET。2階のスペースを思い切り贅沢に使い、雑貨や古道具が大好きな女の子のお部屋をイメージして展示しています。
(ちなみに、AMULETさんは現在押上に移転しています)
「写真と古道具のくらし」(2009年/MAREBITO)
2回目の個展は、「写真と古道具のくらし」展。そう、2冊目の著書と同じタイトルです。1回目の個展と雰囲気やテーマが似ていますが、こちらも2冊目の著書出版の後に記念展示として行いました。会場は、茅場町にあるギャラリー・イベントスペースMAREBITOさん。ここはオーナーさんが古道具好きとあって、いい感じに古びたテーブルやソファーなどがたくさん置いてあります。そこに、「写真と古道具のくらし」の中で制作した作品を全体にディスプレイし、誰かのくらしの中に写真と古道具が溶け込む、そんな雰囲気をイメージしました。
こちらは、私が所属している写真サークルHИTb(ニーチ)のグループ展「写本」展で、2009年に行った時の様子です。テーマはそれぞれなのですが、“写本”とメンバーが呼ぶ、本の形状をした写真集/フォトブックを1人1冊制作し、壁のパネル写真と一緒に展示しています。テーマではなく、展示方法で統一感をはかった展示です。
こちらは、昨年12月に行ったdezowazoグループ展「写真の音色」。一人一曲、好きな曲を選び、その曲のイメージに合わせた写真を思い思いの方法で展示しました。会場では、メンバー10人全員の選んだ曲と写真を映像にして流し、会場全体で写真+αのイメージが伝わる展示にしています。
2年前に参加した「春色展」。まさにタイトル通り、“春を感じる色”がテーマです。会場全体がふんわりした、優しい雰囲気になりました。
テーマや内容が決まったら、その展示にふさわしいタイトルを考えます。私は、比較的シンプルで、伝わりやすいタイトルを考えていますが、言葉をひねったユニークなものも、インパクトがあってよいと思います。個人的な意見ですが、英語やフランス語などを使う場合は、日本語のサブタイトルがあった方がベターです。
写真展のテーマが決まったら、次に会場(私は=ハコと呼んでいます)を選びます。東京や大阪などはギャラリーがたくさんあり、また大きさや立地、そして予算条件もからんできて、一つに絞るのがなかなか難しいですが、普段から色々な展示に足を運び、自分の頭の片隅にそのハコをメモしておくことが、いざ自分が展示をするときの会場選びに役立ちます。
会場は、大きく分けてレンタルギャラリー系、単発イベント系、カフェなどの飲食系店系、写真屋さんや雑貨屋さんなどの店舗併設ギャラリー系などに分けられます。ほかにも、メーカーが運営するギャラリーなどもありますが、通常著名な写真家に限られ、一般の人がいざ展示したいと思っても難しいのが現状です。ここでは、写真好きな人が初めて展示をしてみたい!と思ったときに、展示が可能なハコに限り紹介します。
レンタルギャラリー系
写真展を開く場合、最も一般的なのがこのレンタルギャラリー。東京では渋谷のGallery LE DECOや青山のNADAR、四谷のRooneyなどが有名です。ほかにも、検索などで探せばたくさんのギャラリーがヒットします。
例:「写真の残しかた」展の東京会場 SPACEKIDS
メリット
デメリット
単発イベント系
主催団体が企画するイベントに参加する方法です。有名なものは、年に2回、東京ビックサイトで開催されている「Design Festa」や、2月に横浜パシフィコで開催される、カメラ・写真の祭典「CP+」内の、「お苗場」展示スペースなどがあります。(※私saorin、今年もCP+で展示します!詳細はのちほど。)
メリット
デメリット
カフェなどの飲食系店系
カフェやレストランなど、飲食をメインに運営しているお店の壁を借りて展示する方法です。
例:「写真の残しかた」展の東京第2弾
会場PEDRA BRANCA
メリット
デメリット
写真屋さんや雑貨屋さんなどの店舗併設ギャラリー系
写真屋さんや雑貨屋さんなどの店舗内で、一部の壁やスペースをレンタルしているお店もあります。ただ、そのお店によって借りられる条件はまちまちで、誰でも展示が可能なわけではありません。ただ料金を支払えばOKというわけではないので、店主に自分の作品を見せたり、展示をしたい意思を伝えたりするなどして、店側とコミュニケーションを取ることが必要です。東京では、戸越銀座のフォトカノン、学芸大学のmonogramなどが挙げられます。
例1:「写真の残しかた」展
福岡会場 albus
メリット
デメリット
例2:「写真の残しかた」展
西宮会場 FRAME*
例3:「写真の残しかた」展
徳島会場 ゆかい社中そらぐみ
グループ展にするのか、それとも個展を開くのか。作品点数はどれくらいか、 また期間は・・・おおよそのイメージが固まったら、ハコ選びをスタートするとよい と思います。
ここで、私がおもしろそうだなーと思った東京のギャラリーを列挙しておきます。 ほかの都市もおすすめがあったら教えてくださいね。いつかどこかにまとめて公開し て おけたらいいなと思っています。 ちなみに、全ての会場に足を運んだことがあるわけではないのであしからず。
きりっとベーシックなギャラリー系
【青山一丁目/ギャラリーSPACEKIDS】
「写真の残しかた」展の東京会場。料金が比較的安く、またTABサイトに掲載してくれるなどの宣伝協力も。
【渋谷/Nidi gallery】
こじんまりとしてて、雰囲気もよい。けどグループでやるならちょっと狭いかも?
【渋谷/Gallery LE DECO】
言わずとしれた有名なアートスペース。1~6階まで、白壁、黒壁、パイプなど色々な展示スペースがあり、常に展示が行われているので、他の階のお客さんがまとめて見てくれることも。
【青山/Nadar】
東京と大阪にある有名な写真展示スペース。写真学校などのイベントも開かれており、写真を学びたい人にぴったり。
【目黒/ギャラリーコスモス】
そこそこ広さがあるので、グループ展におすすめ。駅からちょっと距離がある。
【四谷三丁目/Roonee 247 Photography】
写真ギャラリーとして有名。
【都立大学/QuantumGallery&Studio】
駅徒歩1分と好立地。1日単位でも貸し出しているので、短期の展示にもOK。
【新宿/新宿眼科画廊】
【表参道/CUBE SPACE GALLERY】
一軒家風/イベントスペース系
【目白/ゆうど】
古民家でユニーク。ご飯パーティーもわいわいできそう。
【自由が丘/Gallery size】
音楽も流しやすそう。パーティーもきっと楽しそう。季節がよいとテラスも活用できるらしい。
【茅場町/MAREBITO】
徒歩5階、のコピーがユニークなスペース。オーナーの趣味で置いてある古家具などで雰囲気が抜群によい。
【日暮里・千駄木/すぺーす小倉屋】
重要文化財の建物が借りられる。ザ・和風だけどおもしろいかも
【千駄木/千駄木空間】
ここも古いマンションを改築してできたところ。
谷根千エリアが近くてお散歩もよさそう
【浅草橋/ルーサイトギャラリー】
隅田川沿いにあって、カフェも併設しててのんびりした感じ。
ここも和風。ただサイト見る限りギャラリーの広さと値段が不明・・・
【渋谷/Gallery Conceal】 カフェスペースなどもあって、大勢で借りるにはよさそう。
【目黒/やさしい予感】
誰かのおうちにお邪魔するような雰囲気がユニーク。
【西荻窪/Gallery MADO】
こちらも一軒家風。
【代官山/MONKEY GALLERY】
以前、カメラ日和のイベントが開催されたことも。
【秋葉原・御徒町/2k540 AKI-OKA ARTISAN】
秋葉原と御徒町の間、JR高架線下を利用したアートスペース。なかなかおもしろいのでイベントによいかも。
(ブログで過去紹介しています。)
【原宿/VACANT】
1階はFOOD+SHOP、2階がイベントスペースになっている。2011年のカメラ日和主宰PHOTOFESはここで開催。
写真屋さん、または飲食などのお店系
【茅場町/森岡書店】
先に紹介したMAREBITOさんの近所。窓から見える川の景色が心地よい。
【戸越銀座/フォトカノン】
戸越銀座の写真屋さん内に併設されたスペース。若干狭いが、料金が安いので人気が高い。
【学芸大学/monogram】
写真屋さんの2階ギャラリー。店とスペースが分けられているので、展示がしやすい。
【高円寺/百音】
高円寺あるカフェ。コンパクトながらも素敵なスペース。
【十条/Gallery&Café FIND】
2階にギャラリー、そして外にガレージも併設しているカフェ。ここで、5月に写真とZINEのイベントを、主催者として企画しています!こうご期待。
【板橋/UP 40 Gallery Imagine】
写真屋さんSUNNY STUDIOがオープンしたギャラリー。
ほかにも紹介しきれないスペースがたくさんあるのですが、キリがないのでまたの機会に。
ひとまず、「写真展を開こう!前編」はここまでで終了です。後半は、展示の宣伝方法、具体的な作品制作、そしてsaorinの搬入のやり方などについてご紹介します。UPされる3月をお楽しみに!
2月9日から、カメラと写真の祭典「CP+2012」が横浜パシフィコで4日間開催されます! 昨年はOLYMPUSブースで出演させていただいた私ですが、今年もEPSONさんブースで出演させていただくことになりました。「写真がそばにある暮らし」をテーマに、私saorinがカラリオコーナーのプロデュース展示を行います。
インテリア系、雑貨・小物系、そして写真集やZINEなどのブック系などを各5〜6点ずつ、全部で20点ほどの作品を、写真好きの誰かさんが住んでいる部屋のようなイメージで展示します。作品点数が個展に匹敵するくらいのボリュームで、今、ラストスパートでひいひい言っております!(笑)
そして土日には、ミニトークショーも行います。土日それぞれ3回ずつ、カラリオコーナーにて、スタンディングのラフなスタイルで行います。
ご興味ある方、ぜひ遊びに来てくださいね!
CP+ 2012 cpplus.jp
※saorin出演時間は下のEPSON CP+詳細サイトをご確認ください。
◆会期:2/9(木)〜12(日)
◆会場:横浜パシフィコ EPSONブース カラリオコーナー
EPSON CP+詳細サイト
http://www.epson.jp/ec/event/cpplus/
saorinサイト green freak
http://www.green-freak.net/
http://greenfreak.exblog.jp/
TwitterID:saorinphoto

第34回
第33回
第32回
第31回
第30回
第29回
第28回
第27回
第26回
第25回
第24回
第23回
第22回
第21回
第20回
第19回
第18回
第17回
第16回
第15回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回
こんにちは!saorinです。いまさらですが、あけましておめでとうございます。2012年もどうぞよろしくお願いします。東京では、今朝起きてみたら、外が一面雪景色! 庭に降り積もった久々の雪に、ちょっと心が躍りました。そんな私ですが、実は昨夜、徳島での展示搬出を終えて帰ってきたばかり。そう、前回までお知らせしていた個展「写真の残しかた」の追加公演が徳島で決まり、年明け6日からスタートして、ちょうど昨日最終日を迎えたところでした。西宮、東京、福岡、そして徳島。全部で6カ所の会場を、私の作品たちがはるばる旅したのだと思うと、何だか感慨深いです・・・。というわけで、今回から前編・後編の2回に分けて、「写真展を開こう!」をテーマに、具体的に色々お話ししたいと思います。まずは、前編をどうぞ。