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第34回連載コラム

写真雑貨を創作する・saorinの
『写真展を開こう! 前編』

徳島から戻ると、次の日東京は雪化粧。 年明け6日から個展を開催し、西日本を中心に点々としていたsaorinさん。 今回は経験にもとづく「個展を開くためのノウハウ」レクチャーです!

こんにちは!saorinです。いまさらですが、あけましておめでとうございます。2012年もどうぞよろしくお願いします。東京では、今朝起きてみたら、外が一面雪景色! 庭に降り積もった久々の雪に、ちょっと心が躍りました。そんな私ですが、実は昨夜、徳島での展示搬出を終えて帰ってきたばかり。そう、前回までお知らせしていた個展「写真の残しかた」の追加公演が徳島で決まり、年明け6日からスタートして、ちょうど昨日最終日を迎えたところでした。西宮、東京、福岡、そして徳島。全部で6カ所の会場を、私の作品たちがはるばる旅したのだと思うと、何だか感慨深いです・・・。というわけで、今回から前編・後編の2回に分けて、「写真展を開こう!」をテーマに、具体的に色々お話ししたいと思います。まずは、前編をどうぞ。

[1]まずは、展示のテーマ・タイトルを決める

「写真と雑貨と古いもの」(2008年/AMULET

まずは一番重要な、写真展のテーマ決めから始まります。ただ漠然と好きな写真を並べるだけの展示ではなく、どういうことを表現したいのか、どんな風にまとめたテーマで展示したいのか、そこから考えていきます。

私の初個展は、2008年の「写真と雑貨と古いもの」でした。初の著書「写真でつくる雑貨」を出版した記念の展示です。著書の中の作品を展示したのはもちろんのこと、古いものと雑貨が好きなので、展示も古道具&雑貨屋さんのような雰囲気に仕上げました。

展示の什器も、あちこちで探した古道具をたくさん仕入れて使いました。会場は、神保町の雑貨屋さんAMULET。2階のスペースを思い切り贅沢に使い、雑貨や古道具が大好きな女の子のお部屋をイメージして展示しています。
(ちなみに、AMULETさんは現在押上に移転しています)

「写真と古道具のくらし」(2009年/MAREBITO

2回目の個展は、「写真と古道具のくらし」展。そう、2冊目の著書と同じタイトルです。1回目の個展と雰囲気やテーマが似ていますが、こちらも2冊目の著書出版の後に記念展示として行いました。会場は、茅場町にあるギャラリー・イベントスペースMAREBITOさん。ここはオーナーさんが古道具好きとあって、いい感じに古びたテーブルやソファーなどがたくさん置いてあります。そこに、「写真と古道具のくらし」の中で制作した作品を全体にディスプレイし、誰かのくらしの中に写真と古道具が溶け込む、そんな雰囲気をイメージしました。

「写本 vol.4」(2009年/Gallery LE DECO)

こちらは、私が所属している写真サークルHИTb(ニーチ)のグループ展「写本」展で、2009年に行った時の様子です。テーマはそれぞれなのですが、“写本”とメンバーが呼ぶ、本の形状をした写真集/フォトブックを1人1冊制作し、壁のパネル写真と一緒に展示しています。テーマではなく、展示方法で統一感をはかった展示です。

「写真の音色」(2011年/Quantum Gallery & Studio)

こちらは、昨年12月に行ったdezowazoグループ展「写真の音色」。一人一曲、好きな曲を選び、その曲のイメージに合わせた写真を思い思いの方法で展示しました。会場では、メンバー10人全員の選んだ曲と写真を映像にして流し、会場全体で写真+αのイメージが伝わる展示にしています。

「春色展」(2009年/funny apartment)

2年前に参加した「春色展」。まさにタイトル通り、“春を感じる色”がテーマです。会場全体がふんわりした、優しい雰囲気になりました。

テーマや内容が決まったら、その展示にふさわしいタイトルを考えます。私は、比較的シンプルで、伝わりやすいタイトルを考えていますが、言葉をひねったユニークなものも、インパクトがあってよいと思います。個人的な意見ですが、英語やフランス語などを使う場合は、日本語のサブタイトルがあった方がベターです。

[2]会場を選ぶ

写真展のテーマが決まったら、次に会場(私は=ハコと呼んでいます)を選びます。東京や大阪などはギャラリーがたくさんあり、また大きさや立地、そして予算条件もからんできて、一つに絞るのがなかなか難しいですが、普段から色々な展示に足を運び、自分の頭の片隅にそのハコをメモしておくことが、いざ自分が展示をするときの会場選びに役立ちます。
会場は、大きく分けてレンタルギャラリー系、単発イベント系、カフェなどの飲食系店系、写真屋さんや雑貨屋さんなどの店舗併設ギャラリー系などに分けられます。ほかにも、メーカーが運営するギャラリーなどもありますが、通常著名な写真家に限られ、一般の人がいざ展示したいと思っても難しいのが現状です。ここでは、写真好きな人が初めて展示をしてみたい!と思ったときに、展示が可能なハコに限り紹介します。

レンタルギャラリー系
写真展を開く場合、最も一般的なのがこのレンタルギャラリー。東京では渋谷のGallery LE DECOや青山のNADAR、四谷のRooneyなどが有名です。ほかにも、検索などで探せばたくさんのギャラリーがヒットします。

例:「写真の残しかた」展の東京会場 SPACEKIDS

メリット

  • ・ギャラリーに足を運んでくる人は、ほぼ100%自分の展示を見にきた人なので、アプローチがしやすい。
  • ・特に写真系ギャラリーとして名をはせているところは、自分が宣伝をしなくても写真好きな人が足を運んでくれるケースが多い。

デメリット

  • ・ギャラリー側はレンタルメインで運営しているので、個人で借りるには金銭的負担が大きい。
  • ・搬入曜日などが決められているところが多く、時間・期間的にあまり自由が効かない。また基本ギャラリー側は在廊してくれないので、注意が必要。

単発イベント系
主催団体が企画するイベントに参加する方法です。有名なものは、年に2回、東京ビックサイトで開催されている「Design Festa」や、2月に横浜パシフィコで開催される、カメラ・写真の祭典「CP+」内の、「お苗場」展示スペースなどがあります。(※私saorin、今年もCP+で展示します!詳細はのちほど。)

例:「Design Festa vol.24」で、「green freak market」と題して出展した様子

メリット

  • ・会場の規模や参加人数も多いので、それだけ集客数も多く、たくさんの人に見てもらえる確率が高い。
  • ・ほかの参加者の作品を見て刺激を受けられる。
  • ・参加者と交流をもてるので、新たなつながりが増えるかも。

デメリット

  • ・通常、数日間のみと展示期間が短い。
  • ・メリットと諸刃の剣だが、集客数が多いイベントだと、自分の作品をじっくり見てもらえないケースも。
  • ・展示スペースが画一的なので準備がしやすい分、会場全体の雰囲気までは作り込めないので、展示のイメージと離れることもある。

カフェなどの飲食系店系
カフェやレストランなど、飲食をメインに運営しているお店の壁を借りて展示する方法です。

例:「写真の残しかた」展の東京第2弾
会場PEDRA BRANCA

メリット

  • ・飲食がメインの運営なので、料金がレンタルギャラリーなどに比べて安い。また期間も長く設定できる場合が多い。
  • ・そのお店にたまたま入った、外部のお客さんなどに自分の作品を見てもらえる。
  • ・お店の人が常にいるので、全期間自分が在廊しなくてもOK。ただし販売する場合は手数料(20~30%が普通)が必要の場合が多い。

デメリット

  • ・ワンオーダーが必要な店がほとんどなので、写真だけ気軽に見られず、来場者に金銭的・時間的負担がややある。
  • ・飲食をするために作られた空間なので、例えば壁に写真を展示した場合、その前のテーブルにほかのお客さんが座っていると、見に行きづらい。

写真屋さんや雑貨屋さんなどの店舗併設ギャラリー系
写真屋さんや雑貨屋さんなどの店舗内で、一部の壁やスペースをレンタルしているお店もあります。ただ、そのお店によって借りられる条件はまちまちで、誰でも展示が可能なわけではありません。ただ料金を支払えばOKというわけではないので、店主に自分の作品を見せたり、展示をしたい意思を伝えたりするなどして、店側とコミュニケーションを取ることが必要です。東京では、戸越銀座のフォトカノン、学芸大学のmonogramなどが挙げられます。

例1:「写真の残しかた」展
福岡会場 albus

メリット

  • ・レンタルギャラリーなどと違い、店側も一緒に企画する形態が多く、宣伝なども積極的にやってもらえることもある。
  • ・飲食店系と同じで、全期間在廊する必要がない。ただし販売手数料はほとんどの店で必要。

デメリット

  • ・料金を支払えば即借りられるわけではなく、店側とのコミュニケーションが必要。

例2:「写真の残しかた」展
西宮会場 FRAME*

例3:「写真の残しかた」展
徳島会場 ゆかい社中そらぐみ

グループ展にするのか、それとも個展を開くのか。作品点数はどれくらいか、 また期間は・・・おおよそのイメージが固まったら、ハコ選びをスタートするとよい と思います。

ここで、私がおもしろそうだなーと思った東京のギャラリーを列挙しておきます。 ほかの都市もおすすめがあったら教えてくださいね。いつかどこかにまとめて公開し て おけたらいいなと思っています。 ちなみに、全ての会場に足を運んだことがあるわけではないのであしからず。

きりっとベーシックなギャラリー系

【青山一丁目/ギャラリーSPACEKIDS
「写真の残しかた」展の東京会場。料金が比較的安く、またTABサイトに掲載してくれるなどの宣伝協力も。

【渋谷/Nidi gallery
こじんまりとしてて、雰囲気もよい。けどグループでやるならちょっと狭いかも?

【渋谷/Gallery LE DECO
言わずとしれた有名なアートスペース。1~6階まで、白壁、黒壁、パイプなど色々な展示スペースがあり、常に展示が行われているので、他の階のお客さんがまとめて見てくれることも。

【青山/Nadar
東京と大阪にある有名な写真展示スペース。写真学校などのイベントも開かれており、写真を学びたい人にぴったり。

【目黒/ギャラリーコスモス
そこそこ広さがあるので、グループ展におすすめ。駅からちょっと距離がある。

【四谷三丁目/Roonee 247 Photography
写真ギャラリーとして有名。

【都立大学/QuantumGallery&Studio】
駅徒歩1分と好立地。1日単位でも貸し出しているので、短期の展示にもOK。

【新宿/新宿眼科画廊

【表参道/CUBE SPACE GALLERY

一軒家風/イベントスペース系

【目白/ゆうど
古民家でユニーク。ご飯パーティーもわいわいできそう。

【自由が丘/Gallery size
音楽も流しやすそう。パーティーもきっと楽しそう。季節がよいとテラスも活用できるらしい。

【茅場町/MAREBITO
徒歩5階、のコピーがユニークなスペース。オーナーの趣味で置いてある古家具などで雰囲気が抜群によい。

【日暮里・千駄木/すぺーす小倉屋
重要文化財の建物が借りられる。ザ・和風だけどおもしろいかも

【千駄木/千駄木空間
ここも古いマンションを改築してできたところ。 谷根千エリアが近くてお散歩もよさそう

【浅草橋/ルーサイトギャラリー
隅田川沿いにあって、カフェも併設しててのんびりした感じ。 ここも和風。ただサイト見る限りギャラリーの広さと値段が不明・・・

【渋谷/Gallery Conceal】 カフェスペースなどもあって、大勢で借りるにはよさそう。

【目黒/やさしい予感
誰かのおうちにお邪魔するような雰囲気がユニーク。

【西荻窪/Gallery MADO
こちらも一軒家風。

【代官山/MONKEY GALLERY
以前、カメラ日和のイベントが開催されたことも。

【秋葉原・御徒町/2k540 AKI-OKA ARTISAN
秋葉原と御徒町の間、JR高架線下を利用したアートスペース。なかなかおもしろいのでイベントによいかも。 (ブログで過去紹介しています。)

【原宿/VACANT
1階はFOOD+SHOP、2階がイベントスペースになっている。2011年のカメラ日和主宰PHOTOFESはここで開催。

写真屋さん、または飲食などのお店系

【茅場町/森岡書店
先に紹介したMAREBITOさんの近所。窓から見える川の景色が心地よい。

【戸越銀座/フォトカノン
戸越銀座の写真屋さん内に併設されたスペース。若干狭いが、料金が安いので人気が高い。

【学芸大学/monogram
写真屋さんの2階ギャラリー。店とスペースが分けられているので、展示がしやすい。

【高円寺/百音
高円寺あるカフェ。コンパクトながらも素敵なスペース。

【十条/Gallery&Café FIND
2階にギャラリー、そして外にガレージも併設しているカフェ。ここで、5月に写真とZINEのイベントを、主催者として企画しています!こうご期待。

【板橋/UP 40 Gallery Imagine
写真屋さんSUNNY STUDIOがオープンしたギャラリー。

ほかにも紹介しきれないスペースがたくさんあるのですが、キリがないのでまたの機会に。

ひとまず、「写真展を開こう!前編」はここまでで終了です。後半は、展示の宣伝方法、具体的な作品制作、そしてsaorinの搬入のやり方などについてご紹介します。UPされる3月をお楽しみに!

CP+2012に出演します!

2月9日から、カメラと写真の祭典「CP+2012」が横浜パシフィコで4日間開催されます! 昨年はOLYMPUSブースで出演させていただいた私ですが、今年もEPSONさんブースで出演させていただくことになりました。「写真がそばにある暮らし」をテーマに、私saorinがカラリオコーナーのプロデュース展示を行います。

インテリア系、雑貨・小物系、そして写真集やZINEなどのブック系などを各5〜6点ずつ、全部で20点ほどの作品を、写真好きの誰かさんが住んでいる部屋のようなイメージで展示します。作品点数が個展に匹敵するくらいのボリュームで、今、ラストスパートでひいひい言っております!(笑)

そして土日には、ミニトークショーも行います。土日それぞれ3回ずつ、カラリオコーナーにて、スタンディングのラフなスタイルで行います。

ご興味ある方、ぜひ遊びに来てくださいね!

CP+ 2012  cpplus.jp

※saorin出演時間は下のEPSON CP+詳細サイトをご確認ください。

◆会期:2/9(木)〜12(日)
◆会場:横浜パシフィコ EPSONブース カラリオコーナー

EPSON CP+詳細サイト
http://www.epson.jp/ec/event/cpplus/

saorinサイト green freak
http://www.green-freak.net/
http://greenfreak.exblog.jp/
TwitterID:saorinphoto