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第11回連載コラム

写真雑貨を創作する・saorinの
『写真を楽しむ、写真で楽しむ』

旅行ガイドブックには絶対にのっていない地元の人しかなれない風景がいっぱい。今回のsaorinさんのコラムの写真を見ていて、本当に鞆の浦や尾道へ旅行に行ったような気分になりました。saorinさんは、きっと地元の人になる達人なんですね。

広島の写真旅

こんにちは! saorinです。街路樹が黄色く色づいていたり、朱色の柿の実が鈴なりになっていたり・・・うーん、秋が深まってきましたね。そして気づけば、2008年もあと1ヶ月と少し。毎度ながら、時の流れの早さにびっくりです。
さて、今月のコラムでは、10月末に行ってきた広島の旅をレポートします。今回もたくさんの出会いがありました。

ポニョと宗介がどこかにいるかも? 鞆の浦

不思議な町並み以前、雑誌で紹介されていたのを目にしてから、一度行ってみたいなあ、と思っていた町、鞆の浦(とものうら)。広島の尾道から、電車とバスを乗り継いで1時間弱、瀬戸内海に面した港町です。行く直前に宿を探していたら、あの「崖の上のポニョ」の舞台だとわかってびっくり。そして、実際に着いて納得。レトロな蔵や民家が立ち並び、石畳が続く不思議な町並みは、歩いているとまるでタイムスリップしたような気分になります。また、路地裏には猫がたくさん住んでいて、みんな人なつっこいんです! シャッターチャンスがたくさんある、楽しい町でした。

路地裏路地裏好きにとってはたまらない! 奥には将棋か何かで遊んでいる人がいましたよ。

犬港をバックに、のんびりうたたね。猫も犬も、みーんなのんびり。

お魚の屋台鞆の浦は、潮の流れの変わる瀬戸内海を渡る船の、“潮待ちの町”として栄えた場所なんだとか。さすがに港町だけあって、朝は道一帯にお魚の屋台が並びます。町の人たちが言葉を交わしながら魚をさばき、袋に入れて「まいどあり。」 町のいつもの風景が、旅人である私の目にすっと焼きつきました。これが、鞆の浦の日常なんだなあ、と。
地元の人が、“鞆”と親しみを込めて呼ぶ、潮待ちの町、鞆の浦。美しくて懐かしい、不思議なレトロタウンでした。

うさぎの楽園、一度はおいで♪ 大久野島

うさぎ今回の旅のメインは、このうさぎたちと会うこと。そう、鞆の浦も、その後の尾道も、ここに比べたらはっきり言ってオマケです!(なんて、それは言いすぎですが)ここは、瀬戸内海に浮かぶ小島、大久野島。またの名をうさぎ島。その名の通り、約300羽の野生のうさぎが暮らす観光地です。今はうさぎがアイドルの平和な島ですが、第二次世界大戦中、日本軍が毒ガスを極秘に製造していた島でした。当時はその存在を隠すため、日本地図上から抹消されたという過去を持っています。廃墟となった建物から、当時の戦争の跡がうかがえる、ちょっぴりシュールな島なのです。

うさぎ船を下りて桟橋を出ると、さっそくうさぎたちが登場!もう大興奮です!でも、ごはんを持っていないとなると、ささーっと散っていく・・・人なつこい犬に慣れている私たちにとっては、少し切ない(笑)。

うさぎ写真は、必死にカメラを向ける私。撮影してくれたのは、写真散歩企画室の相棒、sayaさんです。
こ、この子は一体・・・。思わず、笑ってしまいました。びよーーーんと肢体を伸ばしてリラックスするその姿、何か月夜を跳ねまわる月見うさぎみたい・・・。

うさぎ「ねえねえ、ごはんちょーだい」ふと見ると、私のリュックに足をかけておねだり。

うさぎ島に唯一あるリゾート宿泊施設、「休暇村」にはうさぎのごはんが売られています。もうその袋をがさがさ言わせた瞬間、あっちこっちからうさぎたちからのラブコールが・・・(が、食べた瞬間すぐ離れて去っていく、なかなかドライなやつらです)ほんのつかのま、うさぎたちの人気者になれたような、そんな錯覚に陥ります。ほんと、一瞬だけなんですけどね。
今度は、キャベツとかにんじんでも持っていこうかな。

きれいな海なかなかきれいな海ですよね。小さいけれど、ビーチもありました。

今回、時間を読み間違えて到着が遅くなり、そしてうさぎたちをゲキシャするのに夢中になりすぎ・・・廃墟の写真を撮ってくるのを忘れてしまいました・・・。むむーくやしい!というわけで、またいつか、このうさぎの楽園に遊びに行こうと思います。今度は、もっとヘルシーなごはんをたくさん持って、ね。

坂道と猫がいざなうノスタルジー、尾道

坂道尾道には、色々な呼び名があるそうです。坂の街、寺の街、文学の街、映画の街・・・そこかしこにお寺も多く、多くの文化人が愛したこの街は、大林宣彦監督の代表作の舞台として多く登場しています。(残念ながら、私1つも見たことないんですよね・・・)ノスタルジーをかきたてられるような、旅情あふれるこの街。遠い記憶のどこかで、ふと目にしたシーンのような・・・そんな懐かしさがこみ上げる、不思議な街でした。

猫尾道には猫がたくさん暮らしています。有名な尾道ラーメン店、朱華園の隣の駐車場に、どうやらあまりもののチャーシューをもらったらしい猫が・・・しかも、少し離れたところでそれを狙っているもう1匹の猫が。ちょっと笑える光景でした。

銭湯尾道商店街には、おもしろいお店がたくさんあります。ここは、かつて銭湯だった建物を利用しているカフェ。お店の中には、古い体重計やタイル壁につけられた鏡など、銭湯だった頃のなごりがたくさん。

看板カラフルな毛糸の看板がかわいい!

オバQどうやらこのオバQ、けっこう有名なようで・・・頭の3本の毛は既になく、その跡の3つの穴がありました(笑)

レトロな看板レトロな看板を、思わずパチリ。

尾道尾道は、子どもだった頃の自分を思い出させてくれる、不思議な街でした。

そうそう、ここでは紹介していないのですが、商店街沿いの文房具屋さんのおばあちゃんや、林芙美子像のすぐ近くにあるカフェバーのオーナーさんなど、たくさんの素敵な出会いがありました。広島の人たちは、気さく。人なつこい。好奇心旺盛。明るい。初めて降り立った広島でしたが、いっぺんで好きになりました。また、あの猫たちや、うさぎたち、そして広島の人たちに会いに行きたい! そんな気持ちで、旅を終えました。

広島の旅コラムはいかがでしたか? 旅をしているといつも思うのは、その地が旅人にとっては非日常の場所でも、そこに暮らす人にとっては日常である、ということ。私にとって”旅すること”は、非日常を求めることではなくて、どこかの誰かにとっての日常を知りたい、そんな思いがあるのかもしれません。また、カメラを首からぶら下げて、どこかに住む誰かの日常をのぞきに行こうと思います。ひとまず今月末は、9月の台風リベンジ、沖縄。まあ、台風も沖縄の人にとっての日常、なんでしょうけど(笑)。

写真散歩企画室先日16日(日)に、雑貨カタログマーケットが無事終了しました。写真散歩企画室としての初めてのイベントでしたが、大盛況のうちに幕を閉じました。来てくださった皆さん、ありがとうございました! saorinデザインの、オリジナルどこでもマグネットも、著書「写真でつくる雑貨」をお買いあげくださった方にプレゼントしました。喜んでいただけたようでよかったです。このイベントで販売していた、2009 green freakカレンダー(壁掛け・卓上2タイプあり)を、green freakオンラインマーケットということで、期間限定でネット販売する予定です。 カレンダー以外の写真雑貨も少しだけ並べる予定ですので、皆さんぜひのぞきに来てくださいね。オンラインマーケットは、近日中に公開します!

saorinサイト green freak
http://www.green-freak.net/
http://greenfreak.exblog.jp/